「生食の命」に癒される

 今、米国でひときわ注目を集めている療養所に、「ハレルヤエーカーズ」というサニタリウムがある。ここでは、食事のかなりの割合を生で食べさせているが、治りにくい病気などもどんどん癒されている。生食がなぜ癒しにそれほど重要な役目を果たすのか、科学的にはまだ充分には解明されてはいない。しかし癒しに結びつく理由の一つに、生の野菜、果物等に豊富に含まれている酵素がある。野菜や果物にある酵素は細胞を活性化させる働きをし、またその野菜や果物自身の栄養を吸収し、利用するためにも用いられる。加熱調理すると酵素は著しく消滅し、それを補給する酵素は身体自身が造り出さねばならない。この酵素を造り出すためのエネルギーが、癒しに用いられる力を奪ってしまっている。さらには、加熱した食物が体内に入ると、体内ではそれらを異物として受け取り、そのために腸内で白血球が増えることもわかっている。

 人気沸騰している「ハレルヤエーカーズ」を批判している人々が、ホームページを作ってコメントを出している。「そこの患者も職員たちも、非常に活き活きしているが、どう見たってやせすぎているよ」と。つまり、痩せていること以外には、全く避難点を見出せなかったということだ。生食でガンや難病を回復させているのは「ハレルヤエーカーズ」だけではない。

 トータルへルス誌6号でご紹介している女医クリスチンさんはもとより、米国のDr.Day(女医65歳)もまた自らの末期ガンを自然療法で克服している。現在彼女は多くの患者を、生食の食事療法を取り入れたニュースタートプログラムで指導し、快復に至らせている。快復以前のDr.Dayは、リンゴ大ほどのガンが胸に盛り上がり痩せこけていた。しかし、今では健康を快復したばかりではなく、目を見張るほど若々しく美しい。表情も活き活きしていて、全く幸福そうだ。いったい誰が、彼女の年齢を言い当てることが出来るだろうかと思う程である。

 もぎたてのリンゴ、とりたての人参、どれもが新鮮でおいしい。そのみずみずしさは、命そのものである。これらを加熱せずにそのまま食するなら、若々しさ、健康、そして新しい命そのものを体に入れる感謝と充足感を味わうことだろう。命あるものの命をまるごと自分の命にいただく、このすばらしさを受けるのに科学の説明を待つ必要があるだろうか。

 生食は自然界を命で満たされ、命を創られた方から頂いた愛の処方箋であるような気がする。
                                    参考図書: Raw food treatment of cancer.
                                             Kristine Nolfi,M.D.
トータルへルス誌6号 巻頭言より
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