MRSA感染症(症状改善例集No.5)
現代医療を助ける ― 水治療法のすばらしさ!
足湯とチャコール併用療法でMRSAによる院内感染を克服
足湯はすばらしい!これが今、T君の退院の日を迎えてつくづく思うことである。扁桃炎で入院し、普段は病気とは何の縁もない18歳の青年が、入院の1週間後には院内でMRSAに感染し、衰弱しきって、最悪の事態も予測される状態になった。私はこれまでにも何人もの方々に足湯をしてあげて、非常に喜ばれ、また症状も楽になられた人たちを見ている。しかし、今回はただならぬ症状であることを知った。このような場合、確かにこれらの方法で助けてあげられるという保証や見通しも見えなかったが、これまで通り、私たちは知っている最善を尽くそうと思い、させていただいた。以下は簡単な経過である。
9月1日(金)
T君はこの2日前から38度台の熱。扁桃腺が腫れて食事ができない。入院の数日後には、40度の熱で、ぐったりしてベッドから起き上がれない。手足は 発疹で真っ赤。声も出ず、鼻汁もすごいし、熱もすごい。夜、氷で 首の後ろと額を 1日に3回程氷で冷やした。
9月8日(金)
(この頃から院内感染していた模様。)
熱も下がらず、体中発疹が出て、声も出なくなっているし、水も飲めなくなった。まずは、足湯の用意をして病院へ行く。一応婦長さんの許可を取りに行くと、どういう足湯なのか、薬を使うのか、心配そうに様子を見に来られたが、お湯は足首までしかつけず、薬も使わないことを確認すると、「しあわせだね。こんなことしてもらって。昔の看護もこうだったんだけど」と安心した様子。足湯を始めて15分たっても全然汗をかかず、30分してようやく汗が出てきたというので、さらに15分延長する。足のすねは、汗が噴き出し、パジャマの襟元もびっしょりになったので、氷の入った水の中に足を入れる。20数えて、出して、きれいに足をふく。「きもちいい?」ときくと大きくうなずく。夜9時、チャコール湿布。
9月9日(土)
チャコール湿布を取り替えて、足湯をする。
9月11日(月)
土曜日から40度の熱。T君の発疹はきれいになくなっていたが、衰弱が激しく半分白目を見せて横たわっていた。誰が見ても危機状態のようだ。この日の手当:首、喉を冷やす。足湯をすると、必ず鼻汁が止まる。彼の衰弱は甚だしく、水も飲み込めない状態だ。
夕方。ホットアンドコールド(温冷交代浴)、チャコール湿布、足のふくらはぎなどマッサージをする。その間、耳鼻科の担当医師の診察があり、「喉全体白くなっていたのがほとんど取れて、後少し残っているだけだから確実によくなってきている」とのこと。
9月12日(火)
マッサージ、ホットアンドコールド。体力は随分回復したようだ。昨日と比較すると驚く程良くなっている。
9月13日(水)
昨日よりずっとすっきりした顔をしている。熱も38.3度。坐薬不要となる。熱は38度以上なので足湯はせず、マッサージのみ。夕方、首や喉を氷で冷やし、全身のマッサージをする。
9月14日(木)
足湯。担当医は「こんなひどい喉の腫れは見たことがない」と言われ、「入院したとき用いた抗生物質が体に合わなくて、さらに院内感染にかかってしまった。喉に強力なウィルスがついている。でも、喉の白い部分も消えてきているし、緩やかではあるが 回復に向かっている。土曜日ぐらいには、よくなるのではないかとも思うが、急激に良くなる事はまずないので期待しないでほしい。今後、その強力なウィルスに効く薬を投与するため、体力を付ける必要がある。もし、これ以上何も食べられなかったら、左胸の動脈からの点滴をせざるを得ない。(腕からの点滴は低カロリーのため、高カロリーは動脈からの点滴になる)。この病院では今まで一度も事故はないが、動脈に針を刺すとき、血管を貫いてしまったら命にかかわることもある」という危険性まで正直に話して下さったとのことである。院内感染を併発していたことを知らされ驚いた。ホットアンドコールドとチャコール湿布をする。
9月15日(金)
夕方、Aさんから電話。「T君はもう食べられるようになって、焼きそば買いに売店まで歩いていったみたい。もうあちこち歩いているようだ。」と。胸をなでおろす。今朝は、牛乳を一口飲めたし、食事も少し出来たとのこと。まだ少し喉の奥は痛い。喉の腫れがまだ完全に引いていないし、2週間も胃の中に物を入れていないので、しばらくは焼きそばなどの刺激のある物は避けて、病院の食事をするように話し、喉に直接、熱いタオルと氷で冷やしたタオルを交互に当てて、ホットアンドコールドをする。彼はもう、自分で出来る。それから足のホットアンドコールドをして帰る。
9月17日(日)
数日前は、MRSAの感染告知に驚いたが、それもつかの間、T君はもう良くなり始めている。「昨日、先生が、『君の場合だが、院内感染の症状がどうしてこんなに早く治ってしまったのか、その原因が分らない。病院では何もしていないのに、木曜日から急激によくなって非常に不思議に思っている。診療記録や検査値をグラフなどにして決め手となったものを見つけようとしているのだけれども、わからない。本当に不思議だ。何が回復の決め手となったのか、10人もの医者で討議したけれど、やっぱり結論は出なかった。』と首を傾げながらおっしゃっていました」と伝えてくれた。
9月20日(水)
退院。水治療法、そしてチャコールはすばらしい!
病院内で足湯などの手当てをする許可を得るために。
治療だということは言わない。
本人が気持ちいいというのでしてあげたいと言う。
例血行がよくなって体中ぽかぽかして気持ちがいい
夜熟睡できるようだ。気分転換になる、など。
お湯は、くるぶしぐらいまでしか浸けないという事を知らせておく。
あくまでも、本人の希望として、担当医師に相談してみる方が良策かも知れない。
考察
☆足湯の効果は血行を促し、白血球の食菌能力を高めるばかりではないようだ。T君の場合、ホットアンドコールドをすると熟睡できるし、治りそうな安心感を受けたという。また、高熱で鼻も詰まって呼吸も苦しいし、喉が腫れ上がって水も飲めず、ただ横たわっていることしか出来ない時に、心のこもった看護してもらったことは、大きな気分転換になったとT君は話してくれた。
☆ ぐったりして話もできないので、何をしてもムダだろうとこちらが思いたくもなりそうだが、本人はそういう状態だからこそ変化を求めているし、一瞬でも苦しみが和らぐことを求めている。積極的に本人のして欲しいと思うことを見つけ出し、叶えてあげることが回復させる要因にもなることを実感した。
☆また、熱も、喉から来ていると初めからわかっていれば、即、ホットアンドコールドと喉の温湿布を同時にすればより効果的だったと思う。チャコールは上澄み液でさえ飲めないし、うがいをするにもひどい痛みを伴うため、湿布オンリーで頑張った。暖かめのチャコール湿布はいつも気持ちいいと彼は言った。一日に2回(1回のときもあったし、全くできない日もあったが)、ほとんど毎日、欠かさず、足湯、チャコール湿布、マッサージなど、本人が気持ちのいいと思うことを続けた。
☆抗生物質も効かない症状にも、体の免疫力を高めてやるならば、どのような症状でも、体自らが問題を解決してくれることを今回も体験させていただいた。また、今回行った療法は、MRSAに対しても確実に、しかも短期間で回復に向かうという、臨床経験を得た。(埼玉県H.Tさん50代女性)
- 2012年09月09日