生野菜の力
生の野菜や果物にある力
医学博士O.S.パレット
生の野菜や果物が提供してくれるすばらしいもの
毎日の食事の中で、皆様はどれぐらいの量を生の野菜や果物で摂っておられるでしょうか?最近わかってきたことですが、生の野菜や果物をたくさん摂れば摂るほど、健康増進と病気の回復に有利であるということです。実際、米国やヨーロッパでもこれを広く勧めているグループがあり、非常に多くの人々がエネルギー増進と病気からの回復を体験しています。
エネルギーを生み出す生野菜と果物
生の野菜や果物をたくさん摂る事によってよりエネルギーが沸きます。え?生の野菜からエネルギー?と思われるかもしれません。通常の常識ではエネルギー源は炭水化物や脂肪から得られるように思っています。ところがこれが「常識のウソ」の1つです。それぞれの食品に記載されているカロリーがそのまま体内でエネルギーに転換されることはないようです。野菜ジュースだけで、数日過ごす経験をした人によれば、不思議に空腹感もなく、エネルギーも十分という感じを体験したそうです。その理由をさぐってみましょう。
消化酵素がたっぷりある新鮮な野菜果物
新鮮な生野菜や果物の中には消化酵素がたっぷりと含まれています。これらの生の野菜や果物がエネルギーをより一層与えるというのは、消化によるエネルギーを奪うことがないためです。
酵素と消化のプロセスには多大なエネルギーが必要
消化のプロセスの第一段階は、口の中で食物が細かくかみ砕かれ、唾液(特に澱粉の消化に必要な酵素を含んでいる)と混ざることです。理想はクリーム状になるまでよく噛むことで消化がよくなります。胃ではこの働きはなされないので、よく噛まずに飲み込んだ玄米や、ゴマなどは粒のまま便に出てきてしまいます。
第二段階は胃で、特に蛋白質の消化に必要な酵素が分泌されて、蛋白質が分解され、粥状になります。そして、十二指腸で脂肪分が分解され、こうして食べたものは栄養として吸収可能な形になって腸へと送られていくわけです。
加熱調理した野菜では消化酵素が失われている
ところで、生野菜や果物には消化酵素をはじめ多くの酵素が含まれていますが、調理すると消化酵素は失われるので、体はそれらの酵素を作り出して消化にあたります。酵素を作り出すのは相当のエネルギーを要します。加熱調理した料理の割合のほうが、生の野菜よりも多い食事をしている場合、消化の働きに必要なエネルギーの8割が、消化酵素を作り出すために使われているということです。消化は人間が消費するエネルギーのうち最も大きな割合でエネルギーを使います。
生の野菜や果物がエネルギーを生み出すわけ
その点、生で食べた場合、体内で酵素を作り出すエネルギーは不要なので、その分のエネルギーは体内に満ち、日常の活動で使い切ってしまわなければ、余裕のエネルギーは体の修復に使われます。
生の野菜や果物のその他のメリット
栄養の効率的な吸収や利用のため、また体の諸機能が円滑に行なわれるために必須なのがビタミン・ミネラルですが、生野菜や果物にはそれらが豊富です。新鮮な野菜や果物、また搾りたてのジュースから得られる益をまとめると、次のようになります。
1. 高品質の栄養を早く吸収できる
2. エネルギッシュになる
3. 健康が増進する
4. 体の修復機能が存分に働くことができる
5. 頭脳明晰になる
6. 疲労感がない
7. 解毒作用が高まる
8. ジュースにしたら繊維が失われるのではと思われるが、ジュースも線維を含んでおり 、しかも体が無理なく処理できる線維がとれる
9. コレステロールを下げる
10. 免疫力が高まる
11.骨が強くなる。
ぜひ、新鮮な野菜、果物、油であげていない生のナッツなどたくさん召し上がってください。理想は、食事全体の6割程度を生のもので摂取することです。実際の問題として6割を生食で摂るのは難しい場合があるので、絞りたてのジュースを活用することも考えられます。
参考資料「JUCING」MichaelTMurray,N.D著
生の野菜や果物の力を最大限に活用するハレルヤダイエットという食事療法があります。
またジュース断食という方法もあります。